公民館で優秀な職員を費用をかけずに採用する方法|ポイント、人材の特徴を解説

公民館で優秀な職員を費用をかけずに採用する方法|ポイント、人材の特徴を解説

公民館は、地域住民の生涯学習の場として、重要な役割を長年果たしてきました。公民館の学習活動は多岐にわたり、地域の産業に結びつく活動、まちの防災や福祉、環境問題や情報化、国際化に対応する活動などを取り組んでいます。

幅広い活動の成功は、それぞれ専門性を求められるため、公民館は優秀な人材の確保が必要不可欠です。しかし、文部科学省の「令和3年度社会教育統計査」によると、2002年に1万8591人いた公民館職員数は、2021年度には1万1795人と36.6%も減少しており、公民館の人材不足は大きな問題となっています。その上、公民館は多くの公共施設と同じく、予算の制約に直面している場面も少なくありません。そのため、公民館は限られた人材の中から、費用をかけずに優秀な人材を確保する必要があります。

本記事では、費用をかけずに優秀な公務員職員を採用するポイントやコツ、やり方について解説します。

>>効果的な公民館運営をするうえで抑えるべきポイントを解説

>>公民館で優秀な職員を費用をかけずに採用する方法|ポイント、人材の特徴を解説

優秀な人材の特徴

官民問わず、優秀な人材の確保は、運営を成功させるために必要な要素です。特に、公民館における活動の成否は、その運営に携わる職員の質に大きく依存しているため、有用な人材の特徴をよく見極める必要があります。以下に、公民館の活動を成功に導く、優秀な人材の特徴をまとめました。

高いコミュニケーション能力

地域住民や関係者との円滑なコミュニケーションをとれることは、公民館の運営において非常に重要です。公民館は、地域住民が集まる場所であり、多様な背景を持つ人々とのコミュニケーションが日常的に発生します。その会話の中で、住民の声や意見をしっかりと引き出し、地域のニーズや要望を正確に把握することで、地域の活性化につながります。公民館職員のコミュニケーション能力は、施設の運営を円滑に行うだけでなく、地域のコミュニティを強化するための鍵とも言えます。

>>公民館を活用した地域活性化に向けた施策を紹介

問題解決能力

公民館職員の問題解決能力は、業務を遂行する上で極めて重要です。地域住民や利用者との関係、さまざまなプログラムや活動の運営、施設管理など、職員の業務は多岐にわたります。そのため、職員は、限られた資金や時間の中で、多様なニーズや課題に対応しなければなりません。設定した優先順位の中から最適な解決策を導き出すことで、住民の生活を豊かにし、公民館と地域の信頼関係を深めることができます。

豊富な知識と活用力

公民館職員のさまざまな業務では、多岐にわたる知識やそれを活用するスキルが求められます。以下では、公民館職員に必要な主な知識やスキルを示します。

地域社会の知識

公民館職員は自らが勤務する地域の歴史、文化、特性や課題などを理解している必要があります。地域社会について深く理解していることで、地域に合ったサービスやプログラムを提供できます。

行政の基本知識

公民館は行政の一部であるため、職員は関連する法律や規則、政策などの基本的な知識の所有が必須です。行政手続きや危機管理、地域資源の活用の際などに、行政の知識は必要となります。

福祉・健康の知識

高齢者、障害者、子ども、シングルマザーなど、地域住民の年齢や立場により生活状況はさまざまです。そのため、公民館職員が福祉や健康に関する知識を持つことは、住民の生活の質を向上させるために非常に重要です。

マルチタスク能力

公民館は地域のコミュニティセンターとして、多岐にわたる活動やプログラムを扱っています。そのため、一人の職員が複数のタスクやプロジェクトを同時に管理や進行することが多く、マルチタスク能力が不可欠です。

これらの知識や活用力を持つ人材が職員にいることで、地域住民に対するサービスの質が高まるとともに、施設の運営もスムーズになります。

継続的な学びと向上心

地域や社会のニーズは時代とともに変化します。その変化を職員が敏感に感じ取ることで、地域に最適なサービスを提供することが可能です。また、情報技術の進化、新しい教育手法やプログラム、コミュニケーションツールなど、公民館の運営に役立つ新しい知識や技術は次々と登場します。職員自身のスキルや知識を常に更新し、新しい取り組みに挑戦する姿勢が、公民館のサービス向上につながります。

柔軟性と適応能力

多様なニーズ、異なる文化や価値観を持つ住民との関係構築には、要求や状況に応じて思考を変える柔軟性が必要です。また、災害や緊急事態が発生した際には、迅速かつ効果的に対応する適応能力が求められます。

公民館職員として、柔軟性と適応力を持つことにより、公民館の運営は安定し、地域住民に安心感を与えることが可能です。

優秀な人材を見極めるポイント

公民館職員に適した優秀な人員を見極める際のポイントは、いくつか存在します。まずは、対面の面接で見極めることをおすすめします。

最も重要なポイントはコミュニケーション能力の高さです。優秀な人材には複数の特徴がありますが、中でもコミュニケーション能力は、全ての業務に通ずる不可欠な能力です。地域住民との交流の際はもちろん、トラブルへの対応や他の職員との協力の際にも大きく関わります。自分の経験やスキル、考えを明確に伝える力があるか、一方で聞き上手であるかが特に見るべき部分です。

コミュニケーション能力と同時に、責任感の強さも大切です。公民館職員の業務は、どれも多くの人が関わるものです。自身の業務が地域や住民における生活の質を大きく左右することを自覚し、真摯に仕事に取り組める人かを見極める必要があります。

仕事をする上での基本的なマナーも重視すべきポイントです。メールのレスポンスや挨拶、お礼などのマナーが身についているかどうかは、採用時の重要な項目になります。生涯学習の場として、ふさわしい礼節を備えているかどうかは公民館の信用に大きく関わってきます。

また、地域に関する知識に加えて、予約システム・顧客管理システムなどのITシステムを操作するスキルが備わっていると、非常に役立ちます。しかし現時点で知識がなくとも、学ぶ意欲があれば十分有望な人材です。

採用するためのポイント

どのようにして優秀な職員を採用すればよいのでしょうか。以下に、そのための重要なポイントを紹介します。

採用目的の明確化

採用の目的を明確化すると、適切な求人情報を作成できます。公民館の目的に沿ったスキルや経験を持つ求職者を引き付ける内容を作成しやすくなるためです。さらに、採用の目的に基づいて、具体的な評価基準や面接の質問を作成できるため、選考の効率的な進行につなげられます。

採用の目的を公民館のビジョンや方針と連携させることで、長期的な地域の活性化に貢献する人材を採用することも可能です。

人材要件の見直し、具体化

求める人材要件を再考し、より具体的な内容にすることで、その要件に当てはまるスキルや経験を持った、適切な人材を効率的に採用が可能になります。

優秀な人材の特徴をすべて満たした人を採用することは非常に困難で、求めるハードルが高すぎることで応募すら来ないこともあります。求める条件の中で絶対に外せないポイントを絞りながら、他は未経験可とすることで、適切な人材を集められて、候補者が応募しやすくなります。採用側の評価軸をずらすことなく、候補者に対して公平かつ一貫した評価を行うことで、求職者の想定する人材像とズレをなくして、早期離職を防ぐこともできます。

魅力的な求人票の作成

公民館の特徴や働く環境、提供する福利厚生などについて、具体的に伝わるような求人票を作成します。求人に入れる主な内容は以下の6つです。

仕事の詳細    明確な仕事内容は求職者に安心感を与え、期待していた内容と実際の仕事のギャップをなくすことができます。適切な量の情報がないと、不信感を与えることになります。
勤務条件勤務時間、勤務日数、勤務地、月給など、具体的な勤務条件を明記します。ライフスタイルと照らし合わせることができます。シフト制かどうかも記載が必要です。
報酬給与以外にも、スタッフ研修、昇給制度など、働くことのメリットを強調することで求職者の関心を引きます。
成長の機会アルバイト、未経験OKでも、将来的なスキルアップやキャリアアップの可能性を伝えることで魅力を感じさせます。研修の有無を記載すると効果的です。
地域文化地域の特色や魅力を伝えることで、求職者は自分が合致するかどうかを判断できます。
応募方法応募の手順を具体的に説明し、かんたんであることを強調しましょう。手間がかかる応募プロセスだと、求職者を途中で脱落させる可能性があります。

公民館の業務内容は、地域ごとに異なります。そのため、求人の時点で明確な特徴やメリットを訴求する必要があります。

また、求人は分かりやすく、明瞭で、親しみやすい言葉で書くことが重要です。公民館の適切なビジュアルや画像を使用すると、求人はさらに引き立つでしょう。最後に、連絡先も明確に示すことを忘れないようにしましょう。

待遇の見直し

競争力のある給与や福利厚生を提供し、公民館の強みをアピールすることで、優秀な人材を引きつけることができます。週○日勤務OK、子育て中の方多数活躍、社会保険完備など、求職者にとって魅力的な環境の提供が可能かどうかを検討してみてください。

2023年現在、東京労働局によると東京都の最低賃金は1,113円で、株式会社リクルート「TOWNWORK」によると、2022年8月、東京都のアルバイト・バイト・パートの平均時給は1,217円でした。

公民館職員の平均時給は、国や都道府県、市町村、さらにその地域の経済状況、公民館の規模や予算などによっても異なります。他の地域の公民館も参考にして、求職者が納得のいく報酬を提示しましょう。

研修の充実化

研修が充実していることは、向上心のある人員の獲得につながります。研修の存在をただ記載するだけでなく、SNSや公式ウェブサイトなどで、研修プログラムの詳細やその魅力、成果を具体的に紹介すると、より効果的です。

費用をかけない採用方法

公民館の職員を募集するには、市のホームページに求人募集を掲載するのが一般的です。しかし、近年、職員が減少してることから、公民館は他の採用方法を検討する必要があります。以下では、市のホームページ以外の費用をかけずに採用する方法を紹介します。

SNS

Facebook、X(旧Twitter)、InstagramなどのSNSを活用して、求人情報を投稿します。最近では、SNS経由で就職先が決定したという事例も珍しくありません。業務中の様子、公民館の雰囲気などを写真や動画、文章でリアルタイムに発信することが可能です。受け手側は、働いたときのイメージが形成しやすく、実際に働いたときとの齟齬を少なくできます。また、友達や有人、フォロワーに拡散してもらうことで、さらに広範囲の求職者にアピールする手段になります。

>>公民館の集客に必要なイベントと効果的な宣伝方法

従業員の紹介(リファラル採用)

既存の職員がいる場合、知人や友人を紹介してもらう制度を設けます。紹介された人が採用された場合には、インセンティブや休暇など、何らかの報酬を提供すると良いでしょう。推薦する人が候補者の能力や性格を理解しているため、リファラル採用は新たな職員の品質担保に役立ちます。

地元のハローワークや求職センター

地元のハローワークや大学・専門学校の生協、就職センターなどと連携し、求人掲載してもらう選択肢もあります。民間の求人媒体とは異なり、無料で求人を載せることが可能です。掲載後すぐに応募がくる保障はないため、急いで採用したい場合には不向きですが、求職者との接点を増やすための手段の一つとして検討してみてください。

地域のイベントでのPR

地域のイベントでPRすることにより、求人募集をする方法です。イベントの開催費用は掛かりますが、求人募集そのものにコストは要しません。イベントの参加者は、地域振興に興味を持っている人が多いため、公民館に合った人材が応募してくる可能性が高いです。地域のイベントでのPRは、優秀な人材を確保するにはとても効果的な手法です。

まとめ

今回は、公民館運営で費用をかけずに優秀な職員を採用する方法について解説しました。

地域の活性化における鍵は、公民館の優秀なスタッフの採用にあります。そのためには、公民館が求める人材像や採用目的を明確にし、正しい基準で人材を評価して選択することが重要です。採用プロセスを計画的に進め、多角的な評価を行うことで、候補者の本質的な能力やポテンシャルを見抜くことが求められます。

また、求人作成時には、職場の文化や勤務条件、職務内容などを具体的に記載して、公民館で働くメリットを明確に伝えることが重要です。オンラインとオフラインの双方を用いて、情報を発信することが求められます。こうしたアプローチによる、能力と適性を兼ね備えた優秀な職員を採用することは、長期的な地域振興の実現につながります。優秀な職員を確保し、地域を活性化させましょう。

公民館施設の運営には、予約システム「RESERVA」がおすすめ!

画像引用元:RESERVA公式ホームページ

公民館施設運営におすすめの機能が豊富な予約システムRESERVAを紹介します。「RESERVA(レゼルバ)」は導入数26万社を超え、国内シェアトップクラスの実績を誇るクラウド型予約管理システムです。RESERVAは、業界・業種問わず350種類以上の業態で利用されています。

パソコン・スマホ・タブレットに対応しており、最短3分で予約システムを作成できます。管理画面もシンプルでわかりやすいため、初めての予約システムに最適です。予約受付・顧客管理をはじめとする多くの機能が無料から利用可能で、開業直後の忙しい時期でも使うことが可能です。

顧客管理や予約業務をシステムに任せることで、経営により多くの予算と時間を割くことができます。ぜひ利用を検討してみてください。