美術館における効果的な集客施策を紹介

美術館における効果的な集客施策を紹介

従来より、美術館は資料収集や保存、調査研究、展示、教育普及など、さまざまな活動を行う施設として存在してきました。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大を経て、近年では、新たに観光施設としての役割も求められています。

美術館を観光施設として効果的に機能させるためには、集客効果を高めることが不可欠です。重要なポイントを理解して、適切な集客施策を策定することで来館者数の増加が見込めます。本記事では、美術館における集客の重要性と美術館の集客におけるポイント、美術館における効果的な集客施策、美術館向けの予約システムについて解説します。

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美術館における集客の重要性

インバウンド市場の拡大により、美術館における集客の重要性は増しています。

日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2023年12月の訪日外国人数は、2019年12月の252万6,387人の108.2%に相当する、273万4,000人を記録しています。この数値は、新型コロナウイルス感染症拡大後の単月過去最多記録であり、12 月の歴代最高数値も更新しました。加えて、文化庁が公開した「文化資源を活用した観光インバウンドのための環境整備」によると、2019年における訪⽇外客の29%が美術館や美術館を訪問しています。

画像引用元:株式会社 JTB総合研究所「インバウンド 訪日外国人動向」

また、2022年度には、「文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律」が公布されました。文化庁はこの法律の目的を「文化の振興を、観光の振興と地域の活性化につなげ、これによる経済効果が文化の振興に再投資される好循環を創出すること」と示しています。

こうした背景から、現在の美術館は、従来の社会教育施設としての機能に加えて、観光施設として集客にも注力した役割を果たすことが期待されています。

美術館の集客におけるポイント

美術館の集客を成功させるためには、さまざまなポイントを考慮する必要があります。ここでは、来館者数増加に直結するポイントを3つ紹介します。

明確なコンセプト

明確なコンセプトを打ち出し、美術館が目指す方向性を示すことで、一貫した集客施策を策定できます。

コンセプトを打ち出す際に重要なのがターゲットの選定です。ターゲットを明らかにすることで、それに応じたコンセプトを打ち出せます。美術館のターゲティングでは、年齢や性別、興味対象などで絞るのが一般的です。近年では、外国人観光客向けのコンセプトも多く見られます。

利便性の向上

美術館における利便性の向上は、来館者数を左右する非常に重要な要素です。物理的なアクセスの改善や情報提供の方法の見直しなど、多岐にわたる取り組みを行うことで、快適な来館体験の提供を目指せます。特に、高齢者や障がいを持つ来館者も楽しむことができるように、バリアフリー設計を整えることが大切です。

地域コミュニティとの連携

地元のコミュニティと密接な関係を築くことで、地域住民を中心とした来館者の獲得が望めます。地元の学校や企業、他の文化施設とのパートナーシップを構築することで、相互に集客支援を行うことが可能です。また、美術館をテーマにした地域のイベントや祭りの開催も、認知度向上に貢献します。

美術館における効果的な集客施策

ここでは、美術館における効果的な集客施策を紹介します。

SNSでのプロモーション

美術館における魅力や展示物の情報をSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で積極的に発信することで、ファンやコミュニティ形成につなげられます。X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、YouTubeなどの主要なSNSのなかでは、特にInstagramが美術館との親和性が高いです。

Instagramを活用したビジュアルマーケティング

Instagramは、若年層に人気の高いソーシャルメディアプラットフォームです。美術館がインスタグラムを活用する際には、投稿する写真や動画の質が非常に重要です。美しい展示品や館内の魅力的なスポットなど、ユーザーが来館したくなる魅力的なコンテンツを投稿することで、来館者数の向上に寄与できます。

インフルエンサーの活用

特定の分野で影響力を持つインフルエンサーを活用し、美術館の魅力を紹介することで、ユーザーの来館意欲を高めることが可能です。ターゲットに合わせたインフルエンサーとのコラボレーションを通じて、美術館の展示やイベント情報を多角的に紹介することができます。

SEO対策

美術館の公式ウェブサイトのSEO(検索エンジン最適化)対策は、インターネット上での可視性を高め、より多くの来館者を集めるために不可欠です。適切なキーワードの選定と使用、高品質なコンテンツの提供により、検索結果の上位に表示できます。

キーワードの特定によるWebサイトの最適化

美術館の公式ウェブサイトを最適化するには、最も重要なキーワードを特定し、それをウェブサイト全体にわたって効果的に配置する必要があります。例えば、展示会名や美術館の名前、展示されている芸術ジャンルに焦点を当てたキーワードは、来館者が比較的よく検索するフレーズです。また、ウェブサイトのローディング時間の短縮や、モバイルフレンドリーなデザインの実装など、ユーザー体験の向上もSEOパフォーマンスを高める上で重要となります。

ローカルSEOの強化

ローカルSEOは、地元の訪問者をターゲットにする美術館にとって非常に有効な手法です。Googleマイビジネスへの登録や、地元のイベント情報を提供するウェブサイトへの情報掲載は、地域コミュニティ内での認知度アップに貢献します。さらに、地元に関連したキーワードをウェブサイトの各部分で使用し、地域の人々が検索する可能性のある内容を提供することで、来場者数の増加に直結します。

特別展示会の企画

特別展示会は、新規の来館者を引きつけるだけでなく、リピーターの増加も見込める有用な手段です。展示内容を多様化し、さまざまなアーティストやジャンルを取り入れることで、幅広い顧客層の興味を引きます。また、地元コミュニティや学校、他の文化施設とのパートナーシップを構築することにより、地域全体の文化振興に貢献できます。

来場者参加型のイベント

来場者が直接参加できるワークショップやガイドツアー、アーティストとの交流会など、参加型イベントの実施は、美術館への訪問をより記憶に残るものにします。これらのイベントを通じて、訪問者は作品やアートの背後にあるストーリーに深く没入でき、美術館とのつながりをより強く感じられます。

ローカル文化を活用したプログラム

地域の文化や歴史に焦点を当てたイベントや体験プログラムは、来館者にとって特別な魅力を持ちます。地域文化がテーマの特別展示や伝統工芸品の作り方を学ぶワークショップなどを実施することで、日本文化への理解を深める機会を提供可能です。これらのプログラムを通じて、美術館は地域社会とのつながりを強化でき、地域の魅力をさまざまな人に伝えられます。

デジタル技術の導入

デジタル技術を美術館に導入することで、顧客体験を向上できます。

オーディオガイド

オーディオガイドを多言語化することで、視覚情報のみならず聴覚からの情報提供も充実します。オーディオガイドは、展示物の詳細な背景や歴史を観光客に詳しく伝える上で非常に有効となります。また、目が不自由な人でも展示物を楽しむことができるようになり、バリアフリーにも効果的です。

予約システムの導入

予約システムの導入は、美術館の集客に非常に有効な施策です。予約システムの導入により、顧客はオンラインで入館チケットを購入でき、特定の展示やイベントへの事前予約も可能になります。

また、予約システムは、顧客の情報を自動で管理するため、美術館の業務効率化にも有用です。蓄積されたデータを分析することで、マーケティングの強化にもつなげられます。

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美術館向けの予約システムとは

美術館向けの予約システムは、美術館の予約や顧客の管理を自動で行うシステムです。予約受付における業務の効率化はもちろん、集客に役立つ機能を数多く搭載しています。ここでは、予約管理システムの導入メリットと、美術館の運営に役立つ予約システムの機能について解説します。

予約システムの導入メリット

予約管理システムを導入することで、美術館の運営において大きな手助けとなります。以下は、そのなかでも特に効果的なメリットです。

・業務効率化
予約システムは予約受付や顧客情報を自動で管理します。人の手により紙やExcelで管理する必要がありません。書き間違いや聞き間違いなどの人為的ミスも発生しなくなり、正確で効率的な美術館の運営が実現します。

・費用削減
予約システムの自動管理機能は、費用の削減にも効果的です。予約や参加者の情報はデータ化されるため、大量の紙や管理するスタッフに費やしていた経費は低減されます。

・マーケティングの強化
予約管理システムを通じて集められる参加者のデータを分析し、ターゲット市場の動向や顧客需要を把握することができます。このデータを基に、効果的なマーケティング戦略を立案可能です。

・顧客体験の向上
予約の確認や変更をオンラインでかんたんに行えることで、参加者の利便性が向上します。また、待ち時間の短縮やスムーズな受付が実現し、顧客満足度も高められます。

美術館に役立つ予約システムの機能

予約システムはさまざまな種類が存在しています。それぞれ特徴が異なるため、自身の美術館に合った予約管理システムを判別することが必要です。

オンラインカード決済機能

オンラインカード決済機能は、オンライン予約時にクレジットカードで決済できる機能です。オンラインカード決済機能を活用することで、顧客は事前に支払いを完了できるため、予約当日にスタッフが要する業務の負担が軽減されます。

多言語対応機能

多言語対応機能とは、予約サイト内の文言を自動か手動で翻訳できる機能です。設定可能な言語は、日本語、英語、中国語(簡体)、中国語(繁体)、韓国語、タイ語となります。予約サイトに多言語対応機能を取り入れることで、日本語力が十分でない外国人顧客向けに対応が可能です。

SNS公式アカウント機能

SNS公式アカウント機能を活用することで、予約サイト上に各種SNS公式アカウントを表示できます。リアルタイムで更新しているSNSアカウントを掲載することで、予約サイトを訪れた人へ最新の情報を伝えられます。

LINE連携機能

LINE連携機能とは、LINE公式アカウントと予約システムを連携させる機能です。連携することで、LINE公式アカウントを友だち登録している顧客が、自身のLINEアカウントを使っての予約や配信コンテンツの受け取れます。顧客がLINEアカウントで予約をする際における、連絡先の入力作業を一部省略できることも利便性の向上に効果的です。

まとめ

今回は、美術館における集客の重要性と美術館の集客におけるポイント、美術館における効果的な集客施策、美術館向けの予約システムについて紹介しました。紹介した集客施策の中では、特に予約システムが有効であり、美術館の観光施設としての機能を増幅させます。

美術館の集客でお悩みの人は、ぜひ本記事を参考にしてください。

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美術館の予約受付には、予約システム「RESERVA」がおすすめ!
美容室運営には、予約システム「RESERVA」がおすすめ!画像引用元:RESERVA公式ホームページ

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