博物館は有人運営 or 無人運営?各要綱がわかると方針が決まる!

博物館は有人運営 or 無人運営?各要綱がわかると方針が決まる!

文部科学省が公表した「令和3年度社会教育統計(社会教育調査報告書)」によると、近年における博物館の指導系職員の数は増加傾向にあり、2021年の学芸員の総数は、過去最多の5,350人を記録しました。しかし、運営に必要な人材が増え続けているにも関わらず、無人運営という方針を選択している博物館も少なくありません。

その主な要因として、有人運営と無人運営が、それぞれ違ったメリットとデメリットを持っている点が挙げられます。有人運営では柔軟で迅速なトラブル対応がメリットである反面、職員の人件費や予約の煩雑化などのデメリットが存在します。また、無人運営では人件費の削減ができる長所がある一方、トラブルの対応に遅れが生じるのが短所です。

こういった側面から、それぞれの博物館の状況によって、適切な運営方針は異なります。そこで本記事では、博物館の有人受付と無人受付、それぞれの特徴や実際に運営する際のポイントなどを解説します。

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運営方針ごとの特徴

博物館の運営は、運営方針によってメリット、デメリットが大きく異なります。そのため、各特徴を理解し、自身の博物館に合った方針を選択することが必要です。下記に、有人と無人、それぞれのメリット・デメリットをまとめました。

メリットデメリット
有人運営・柔軟で迅速なトラブル対応
・安心感のある施設利用
・職員の人件費/労力
・人的要因のミス
・予約の煩雑化
無人運営・人件費の削減
・職員の負担軽減
・セキュリティ対策の強化
・スムーズな利用
・初期投資やメンテナンスの費用
・技術的障害
・トラブル対応の遅れ

有人受付

博物館における有人受付は、特に顧客体験のクオリティと安全性が保証されていることにメリットがあります。博物館の受付スタッフはレセプションとも呼ばれ、来館した利用者への出迎えや見送りをスタッフが行うことで、好印象を与えることが可能です。

他にも、スタッフがいることで問題や緊急事態が発生した際に迅速に対応できるため、緊急時における来館者の不安を軽減できます。人間同士の積極的な接客を求める顧客をターゲットとするなら、有人受付で顧客満足度やロイヤリティを向上させることが有効な手段です。

しかし、予約管理など膨大な量の情報を扱う際、スタッフが管理することにより、人為的ミスを誘発する可能性があります。そういったことに対するリスクヘッジは必要です。受付にスタッフを配置する場合、アルバイトであればスタッフ1人あたりの人件費で、時給1,000円~1,500円ほどがかかります。博物館は「博物館法 第 23条」に則り、入館料等を無料としている施設も多く、入館料での大きな収入は期待できません。そのため、博物館は、運営費用をできるだけ抑えることが求められます。有人受付を実現する際には、具体的に計画を立てて、できるだけ費用をかけずにスタッフを雇用することがおすすめです。

無人受付

博物館の受付が無人である場合、スタッフにかかる人件費を削減できます。受付にデジタル化されたシステムを用いることで、人為的ミスの発生しない、スムーズな予約のスケジューリングが可能です。またシステムの利用は、完全予約制や受付レジの撤廃などが実現し、業務負担の軽減にも効果的です。

しかし、受付の無人化には多くの問題もあります。例えば、多くのシステムが有料なため、運営者は導入費を考慮して、システム化が人件費より安く抑えられるかを判断することが必要です。他にも、電子的な不具合やネットワークエラー、技術的な障害などの事故にも気をつけなければなりません。発生したトラブルに迅速に対応できるスタッフがいない場合、対処に遅れが生じます。これらの問題を事前に予測し、発生したときの対策を練ったうえで、システムの導入を試みることがおすすめです。

スタッフ採用における要点

博物館のスタッフを採用する際は、いくつかの要点を意識する必要があります。重要なポイントを考慮せずに人材を雇用すると、応募者の減少や採用後のトラブルにつながりかねません。ここでは、博物館におけるスタッフ採用の要点について詳しく解説します。

採用する目的を明確化する

初めに、どのような役割で博物館のスタッフを採用するのか、どの仕事を任せるために雇うのかなど、目的を明確にする必要があります。採用後に何の仕事をしてもらうかが明確でなければ、自身の博物館が求める人材は確保できません。

博物館では、学芸員や巡回人、案内スタッフや受付(レセプションを含む)など、求められる役割がさまざまです。採用目的をはっきりさせて求人を出すことで、応募者との齟齬が無くなります。

採用条件を具体化する

求人情報には、目的の明確化と同時に、内容の具体性が求められます。未経験可や週2日以上勤務など、求める条件を具体的に提示することで、働いたときのイメージがつきやすく、応募者が持つ就職後の違和感を減らすことが可能です。

採用条件で重要なポイントは、応募の内容や手間のハードルを上げすぎないことです。ハードルの高い希望や条件が多いと、求人を出しても応募者が来ないことがあります。これは外せないという必須条件やこうしてほしいという依頼を明確にし、無理に求めすぎないことで応募者が集まりやすくなります。また応募方法にも無理なハードルを設けず、履歴書不要としたり専用サイトからの応募に切り替えるなど、手間のかからない方法を導入するのも1つの手です。

博物館の強みを押し出す

求人サイトなどでスタッフを募集する際、月収〇〇万円以上可能や週2日勤務可能など博物館の強みとなる点のアピールが必要です。ただし、強みをひたすら列挙することや誤解を与えるような内容は、逆に求職者を遠ざけます。ここでは博物館の強みを強調できるポイントを5つ紹介します。

・博物館のビジョン:施設の価値観や目指すものを明確にすることで、応募意欲が高まり、求めている人材とも出会いやすくなります。

・環境の特徴:仕事の雰囲気や、博物館の環境など具体的な職場の特徴を示すと、求職者が自分が働く想像がしやすくなります。

・成長の機会:働いて得られるスキルや知識の記載は、やる気のある求職者を得られる可能性が高まります。

・福利厚生:健康保険、有給休暇制度、退職金制度、フレキシブルな勤務時間など具体的な福利厚生の説明があると、求職者は安心して応募できます。

・写真や映像:実際の職場の写真や映像があると、働くイメージがつきやすく、綺麗な博物館であれば働くモチベーションの向上にもつながります。

求人方法にこだわる

求人方法はさまざまな種類があり、どの程度の規模で募りたいかやどのようなタイプの人を雇いたいかで適切な方法を選択すると良いです。

・求人サイト:求職者が希望条件を絞って求人情報を探せる、求人募集の最もポピュラーな媒体です。雇用形態やエリア、職種を自分で選ぶため、条件の食い違いが起こりにくくなっています。

・フリーペーパー:コンビニや駅に設置される求人方法で、掲載されるエリアで情報が分かれており、場所に制限があるものの、地域に密着した採用を望む場合には適しています。

・求人検索エンジン:Web上にある求人情報をまとめて検索するシステムで、求職者が多くの情報を得られる代わりに、その多さから埋もれてしまうことがあります。求人情報を発見してもらうためには、定期的な更新が必要です。

・人材派遣会社:クライアントの要望に応じて、最適な人材を紹介する人材派遣では、即戦力となる人材をいち早く獲得できます。

また、スタッフを採用する際には、費用をかけないポイントが多く存在します。事業収入が少ない傾向にある博物館では、考慮すべき重要な点です。

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無人受付でおさえておきたい要点

有人受付では、適したスタッフを配置すれば運営できますが、無人受付では、どのような機材やシステムを導入するべきかの知識が必要です。無人受付でのおさえておくべき要点を、実際のシステムとともに紹介します。

セキュリティ対策

博物館の展示品は高価であり、盗難や器物損害から守る必要があります。有人受付では、スタッフの監視により、トラブルが起きても迅速な対応が可能です。しかし無人受付では、学芸員などがセキュリティを管理する余裕はないため、監視カメラの設置や警報システムなど防犯能力の高いシステムの導入による設備の保護が求められます。

画像引用元:セコム公式サイト

セコムは建物や利用方法のタイプからそれぞれの施設にあった防犯システムを設置でき、考えられる課題やリスクを事前に対策できます。

ほかにもシステムの不正利用や料金未払いでの利用にも気を配らなければいけません。そういった場合には、顔認証システムや事前予約や決済、スマートロックなど、博物館でのトラブルが起こらない対策が有効です。

オンラインでの予約システム

効率的な博物館の運営には、利用者がかんたんに予約できる予約システムの導入が不可欠です。無人受付だけでなく有人受付でも、オンライン予約やオンライン決済があると利用者獲得の機会を逃しません。手間になっていたやり取りの簡略化で、業務負担を大きく軽減します。

画像引用元:RESERVA公式サイト

RESERVA(レゼルバ)は、登録事業者数26万社以上と国内最大級の導入実績を誇る予約管理システムです。メルマガ配信機能や事前決済が可能なオンライン決済機能など、予約管理にとどまらない機能が多数搭載されています。特に、RESERVAのスマートロック連携機能は、博物館の無人運営に大いに役立ちます。鍵を使わず、スマートフォンなどのデバイスで、玄関ドアや門扉の施錠・開錠ができるスマートロックと連携することで、全てのドアをクラウドでの一元管理が可能です。部屋の稼働状況の把握や、遠隔地・複数施設でも1つの予約システムで一括管理できます。

顧客サポート体制

無人運営では、問題が発生した場合に対応できる電話やチャットのサポートシステムが欠かせません。無人受付にこのようなシステムがあることで、顧客が安心して博物館を利用できます。

画像引用元:Chat Plus公式サイト

Chat Plus(チャットプラス)はチャットボット導入に関するサポートを行っており、問い合わせ対応にシナリオに沿った質問への回答やAI会話の機能といった運営方針にあわせた使い方ができます。

在庫管理

博物館の在庫管理は、受付スタッフの業務として人の手で行われます。受付スタッフがいない運営の場合、在庫管理を自動で行うシステムの利用が求められます。

画像引用元:SmartMat Cloud公式サイト

SmartMat Cloud(スマートマットクラウド)は、現場の実在庫をリアルタイムで可視化し、手間をかけずに在庫の一元管理ができるため、業務の効率化を図ることが可能です。ヒューマンエラーがなく、消費にあわせた最適なタイミングでの自動発注ができます。

博物館の予約システムとは

博物館の予約システムは、施設の予約や顧客の管理を自動で行うシステムです。無人受付の実現に、予約システムの導入は欠かせません。ここでは、予約システムの導入メリットと、博物館の運営に役立つ予約システムの機能について解説します。

博物館の予約システムのメリット

予約システムを導入することで、動物病院の無人受付において大きな手助けとなります。以下は、そのなかでも特に効果的なメリットです。

・業務効率化
予約システムは予約受付や顧客情報を自動で管理します。人の手により紙やExcelで管理する必要がありません。書き間違いや聞き間違いなどの人為的ミスも発生しなくなり、正確で効率的な博物館の運営が実現します。

・費用削減
予約システムの自動管理機能は、費用の削減にも効果的です。予約や顧客の情報はデータ化されるため、大量の紙や管理するスタッフに費やしていた経費は低減されます。

・マーケティングの強化
予約システムを通じて集められる顧客データを分析し、ターゲット市場の動向や顧客需要を把握することができます。このデータを基に、効果的なマーケティング戦略を立案可能です。

・利用者体験の向上
予約の確認や変更をオンラインでかんたんに行えることで、来館者の利便性が向上します。また、待ち時間の短縮やスムーズな受付が実現し、利用者の満足度も高められます。

博物館の運営に役立つ予約システムの機能

予約システムはさまざまな種類が存在しています。それぞれ特徴が異なるため、自身の博物館に合った予約システムを判別することが必要です。以下では博物館に役立つ予約システムの機能をまとめました。

オンラインカード決済機能

オンラインカード決済機能は、クレジットカードやデビットカードなどの決済手段を用いてオンライン上で支払いを完了できる機能です。この機能を搭載した予約システムを導入することで、来館日当日の決済業務を省け、利用者にかかる負担を軽減できます。

無人受付の実現には、オンラインカード決済への対応が不可欠です。予約システムを選ぶ際は、オンラインカード決済機能を搭載しているかを十分に確認することが大切です。

予約時アンケート機能

予約時アンケート機能は、予約時にさまざまな要望を受け付ける機能です。事前に要望を書いてもらうことで、急な利用者とのトラブルを防げます。

また、事前準備が入念にできるため、利用者に提供するサービスの質を向上させることも可能です。

オプションメニュー機能

オプションメニュー機能は、オプションメニューとして追加でサービスを設定できる機能です。

博物館では、ガイドツアーや体験コーナーのなど、数多くの追加サービスが存在します。予約時に博物館が運営しているサービスを利用者に把握させることができるため、効率のよい運営が実現します。

キャンセル待ち機能

キャンセル待ち機能は、予約が埋まっている予約枠にキャンセルが生じた際、キャンセル待ちの予約者に対して通知や予約の実施などを、自動で行える機能です。

空いた予約枠に迅速に予約を組み込むことで、顧客獲得の機会を逃しません。

人数制限機能

人数制限機能は、設定した日時ごとの予約上限人数に予約人数が達した際に、自動的に予約受付を打ち切ることができる機能です。入館制限が予約サイト内で自動的に行われるため、緊急時でも、迅速に人数制限を行うことができます。

また、予約者から予約可能な上限数を確認できるため、博物館の利用者からしても便利で使いやすい機能です。

まとめ

今回は博物館における、受付スタッフの有無についてそれぞれの運営方針の特徴やポイントを解説しました。それぞれの博物館の状況によって、適切な運営方法は異なります。顧客満足度、セキュリティ、人件費などさまざまな観点から自分の博物館にあう方針を決めてからの開業がおすすめです。博物館の経営を考えている人は本記事をぜひ参考にしてください。

博物館運営には、予約システム「RESERVA」がおすすめ!
美容室運営には、予約システム「RESERVA」がおすすめ!画像引用元:RESERVA公式ホームページ

博物館運営におすすめの機能が豊富な予約システムRESERVAを紹介します。「RESERVA(レゼルバ)」は導入数26万社を超え、国内シェアトップクラスの実績を誇るクラウド型予約管理システムです。RESERVAは、業界・業種問わず350種類以上の業態で利用されています。

パソコン・スマホ・タブレットに対応しており、最短3分で予約システムを作成できます。管理画面もシンプルでわかりやすいため、初めての予約システムに最適です。予約受付・顧客管理をはじめとする多くの機能が無料から利用でき、開業直後の忙しい時期でも使えます。

顧客管理や予約業務をシステムに任せることで、有人受付でも無人受付でも多くの予算と時間の削減が可能です。ぜひ利用を検討してみてください。